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ピアニスト林田学という人物について紹介してみたいと思います。
彼はピアノ演奏を生業にしています。
ただ、決して有名な人ではありません。
彼の主な仕事は、街角にあるようなジャズ喫茶で演奏することです。
そうした演奏に加えて、自宅や商店街にある音楽教室でピアノレッスンの講師をしています。
収入は決して高くありませんが、彼は自分の生活をエンジョイしているように見えます。
それでも、たまに個人的な友人である私にちょっと愚痴をこぼします。
「昔とくらべて、音楽を聞きに来る人は少なくなった。
お客さんがゼロの時も結構あるんだよ。」
ピアニストはいわば自営業なので、自分で自分を売り込まなければなりません。
最近は結婚式場が増えていますので、そうした新しい結婚式場が出来ては足を運んで名刺を渡しているそうです。
そんな姿を見ていると、好きな事を仕事にするのは大変なことなんだな、と思うと同時に少し羨ましくも思います。
私もたまに彼の演奏を聞きに行きます。
彼の奏でる音楽は決して派手な音楽ではないのですが、一つ一つの音を慈しむような演奏を聞かせてくれます。
研ぎ澄まされた、無駄のない職人の技術のようにも感じます。
そして、彼の演奏を聞いた後の帰り道は、少し満たされたような気持ちになります。
これからも、街角で素敵な音を奏で続けて欲しいと思います。